「香道」を知る

香 道 と は「禅」の精神に通じる日本特有の伝統芸能

香道は室町時代後半に登場した東山文化の将軍・足利義政の命により発展しました。一定の作法に従って香木を焚き、その香りを文学的テーマの元で鑑賞することにより人間形成をはかる芸道であり、「禅」の精神に通じるもので我が国特有の伝統芸能です。


その基礎は三條西實隆と志野宗信により二大流派が確立され、連綿と現代迄継承されており

三條西實隆を始祖とする
「お家流・おいえりゅう」……公家風

志野宗信を始祖とする
「志野流・しのりゅう」……武家風


が主流となっています。お家流は平安時代公家の間で行われてきた和歌と香遊びが源流で優美さを尊び、一方武家を中心に広まった志野流は武家の格式を重んじるという特徴があります。

香道はその特異性から一般に広く普及せず、古くは宮中人にのみ許された雅な遊びの一つでもありました。日本独自の古典・詩歌等と深い繋がりを持ちながら、それらの要素を香りで表現し楽しむ芸道です。